難治性の慢性痛がDRTで劇的改善できる理由↓
こんにちは、
福岡県のマスターインストラクター
肝付和紀です。
今回は
「DRTはなぜ難治性の慢性痛に劇的な効果を発揮するのか?」
というテーマでお届けします。
皆さんご存知のようにDRTは、
自然治癒力を活性化させます。
だから痛みが無くなる、
簡単に言ってしまえばこんな感じです。
しかし個人的には、
これ以外のプラスαの効果も
大いにあるのではないかと
思っています。
今回はそういった
個人的な考察についてですが、
お話しさせてもらいたいと思います。
痛みは通常、一時的なものです。
では、なぜ
慢性化してしまうのでしょう?
答えは簡単!
どこかに
原因や異常が残ったままに
なっているからです。
ケガをしたりした場合、
痛みを感じるのは↓のような
流れになります。
・感覚神経終末(身体)が
侵害刺激を受け、情報が電気信号化
↓
・感覚神経線維から脊髄後角細胞へ伝達
↓
・脊髄上行路を上り脳に入る
↓
・腕傍核、中脳水道灰白質など
複数の神経核を経て最終的に
第一次/二次体性感覚野に
伝達されて痛みを感じる。
ザックリですが、
このような流れになります。
この流れのどこかに
問題があり続けると、
「痛み」の信号が出続けて
慢性的に痛みを感じます。
慢性痛は、西洋医学的に言うと
・侵害受容性の慢性痛
・神経障害性の慢性痛
・非器質性の慢性痛
の三つに分類されます。
それぞれ簡単に見ていきましょう。
【侵害受容性の慢性痛】
抹消組織に炎症の源が
存在し続けている状態です。
変形性関節症や
関節リウマチなどがあります。
【神経障害性の慢性痛】
抹消および中枢神経系が
圧迫、絞扼、切断などで損傷され
痛みが出る状態です。
代表的なものとして椎間板ヘルニア、
脊髄損傷後の痛み、帯状疱疹後神経痛
などがあるとされています。
【非器質性の慢性痛】
診断名のつけられないような
不定愁訴が多く、診断も治療も
難しいものとされています。
西洋医学的には慢性腰痛や顎関節症、
線維筋痛症などが代表例です。
抹消組織に痛みの源がなく、
消炎鎮痛薬や神経ブロックでの
効果があまり見られないものです。
脳の構造と機能が
変容しているものになります。
と、簡単にまとめるとこんな感じです。
個人的な見解も含みますが、
DRTでは上位頸椎を整え
脊椎のズレや歪みを解消することで、、
・脊椎部での神経の信号伝達
(運動、感覚、自律)をスムーズにする。
・中枢(脊椎)がズレることで
抹消に広がっていた
代償性の負荷が軽減される。
・これ以上ズレを広げないために
緊張していた筋肉を
弛緩できるようになる。
・自律神経のバランスを調整する
・脳を再起動させる(上原先生談)
など、これらによって
身体にかかる余計な負荷を減らし、
自然治癒力が発揮できる
本来の状態になっていきます。
あとは、この状態を患者さんに
維持してもらえれば治ります。
こういった要素からも
侵害受容性、神経障害性の慢性痛は
解消しやすい状態になるのではないかと
考えています。
しかし私がDRTで
改めてすごいと感じるのは、
『非器質性の慢性痛にも
効果を発揮しているのではないか?』
というところです。
非器質性の慢性痛は、
薬の効果も薄く、はっきりした
原因の特定が難しく、
単純な抹消組織へのアプローチだけでは
改善が難しいものになります。
これは長く続く強い痛みや
繰り返すストレスなど、
心と身体にかかる強いストレスが原因で
負の情動(不安や恐怖など)の
スパイラルから抜け出せなくなると
リスクが高まる事が分かっています。
この時に脳の特定の部分に
変質が起こる事で、
当たり前に行われていた
痛みのコントロールが出来なくなり
慢性痛となるようです。
西洋医学で、この非器質性の
慢性痛を治療する場合に
有効とされているものとしては、
・脳の特定の部位に磁気刺激を与える
・認知行動療法
などがあります。
特に認知行動療法は近年注目されていて、
TVなどでも特集されているので
ご存知の方も多いと思います。
認知行動療法は、一言でいうと
「心の持ち方」をポジティブにする
心理療法の一種だそうです。
患者さんの不安や恐怖などの
負情動を取り除いて
脳の状態を正常に戻すことを
基本的な目的にしています。
治療内容は
・カウンセリング
→原因となるストレスや
将来に対する不安や恐怖を解消する
・運動
→記録をつけながら運動を行い
出来なかったものが出来るように
なっていることを見える化し
改善が実感できるようにする
・映像を見る
→痛みは解消する・
痛みは怖くないなどに関連した映像を
繰り返し見て不安を和らげる
などがあるようです。
(私が知る範囲のものになります)
非器質性の慢性痛を治療するうえで、
重要な要素の一つになるのが、
『不安や恐怖などの負情動に傾いた思考を
「良くなるんだ」という方向に変える』
ことです。
この部分でDRTは、
上原先生が仰っていた
脳を再起動させるという事と、
自律神経のバランス調整、
術前術後の指標チェックが
有効なのではないかと考えています。
脳の再起動に関しては
詳細は分かりませんが、
指標に関しては
揺らされる前は激痛だった場所が、
後には痛みが激減or無くなっている。
これは患者さんが
良くなるかもしれないと「希望」を
持つのに効果抜群だと思います。
そして自律神経の状態が
安定しやすくなれば、
正常に神経伝達物質を
分泌できるようになります。
すると、
思考が負情動に傾きにくくなり
負のサイクルからも
解放されやすくなります。
繰り返しになりますが、
非器質性の慢性痛を治療するうえで
重要な要素になるのが
不安や恐怖などの負情動に傾いた思考を
「良くなるんだ」という
方向に変えることです。
これは、簡単なことではありませんが
DRTシステムを正しく活用できれば
誰にでも可能になるのではと考えています。
そのためにも
指標をしっかり使いこなせるよう、
より心地よく寝てしまうような
施術が出来るように
慢心せず精進を続けたいと思います。
参考までに、
私がこれまで診させてもらった
非器質性の慢性痛と特徴が
類似していた患者さんなのですが、
■事例その1
ギックリ腰の痛みと
下肢の痺れが二十数年続いていて
代償性歩行が常態化している。
画像検査状は腰椎ヘルニア2カ所。
腰骨一個分垂れ下がって飛び出ていて
動けるのが奇跡とドクターには
言われたらしいです。
手術歴なし。
3~4回の施術で腰痛解消。
3回続けて来院してもらい、
4回目は五日後来院。(50代)
■事例その2
ヘルニア手術後も
5年以上腰痛が続いて
30分以上続けて座れない。
4回目以降は腰痛を
ほとんど感じなくなり、
趣味の旅行に車で4時間以上
運転していっても全く痛まなくなった。
週二回来院(40代)
■事例その3
片頭痛と診断され
6年以上薬を飲んでも、
頻繁に続いていた頭痛が
3回以降の施術後になくなった
週二回来院。(40代)
■事例その4
仕事を続けられないほどひどい腰痛で、
色々な病院で検査をしたが原因は不明。
一ヵ月半のリハビリ入院や
その他色々試したものの、
ちょっとした振動でもひどく痛み
8カ月間歩くのもままならず
ほとんど寝ていた。
3日続けて来院指導したが
2日目で腰痛解消。
3回目の来院には
自分で運転して来院。(30代)
など、一部ですが
このような方々がいました。
DRTを施術に
取り入れている先生にとっては
よくあることだと思います。
こういった方達に
抜群の効果があった一因には、
それぞれの慢性化している原因の違いが
影響しているのではないかと考えています。
侵害受容性・神経障害性の
慢性痛の方では、
損傷部が治るまでに時間がかかります。
(損傷の程度、損傷部の多さなどで
治癒までの時間に影響)
しかし、非器質性の慢性痛では
傷自体はないので不安や恐怖などの
負情動を取り除き、
脳の状態が正常な状態に戻れば
痛みをコントロールする機能が回復します。
このような理由から
良くなるまでの期間・回数の違いが
でてくるのではないかと考えています。
今回は、私なりに見る角度を変えて
DRTの可能性について考察してみました。
最後に少し余談ですが、
以前指標についてスタッフに話している時に
こういった話を少ししたことがあり、
「プラシーボ効果
(偽薬効果)ではないのか?」
と、質問されたことがあります。
質問をしたスタッフは
プラシーボ効果が単なる
思い込みだと思っていたようです。
なので実際に
脳内で痛みを軽減させる時に分泌される
神経伝達物質が確認されていて、
薬を服用した時と同じ現象が
起こることが証明されているといった
話をさせてもらいました。
こういった意味では、
個人的にはプラシーボ効果としても
存分に力を発揮するのでは
ないかと考えています。
自分の言動次第では、
より効果を高められる
一因になりえると思うので
精進していきたいと思います。
最後までご精読いただき
ありがとうございました。
ご精読いただき
ありがとうございました。
感謝いたします。
肝付和紀
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